技能4教科のテスト勉強の仕方で、その子の勉強の本質が見えてくる。

2014年9月11日

技能4科目のテスト勉強をしている生徒の様子を見るのが好きだ。

英数国理社の5科目の勉強は、ハッキリ言ってやりやすい。何を勉強すればいいかポイントは明確だし、問題集も充実しているし、良質な問題集をキチンと解いていくだけである程度の点数は取れる。一方、音楽・美術・技術家庭・体育の技能4科目は、問題集もないし、教科書を読んでも何がポイントなのかサッパリ分からない。特に中学1年生にとっては、技能4科目の筆記テストなど未知の世界だ。どう勉強すればいいか分からない。コレという明確な勉強法がないから、生徒それぞれの勉強法の癖がダイレクトにでる。だからこそ、見ていて面白い。

生徒の様子を見ていると、技能4科目の勉強の仕方はだいたい次の4つに分類される。

  • 教科書を眺める派
  • ノートにまとめてみる派
  • 一問一答作成派
  • なにもしない派
  • 一問一答作成派

    成績が良い子ほど、やはり「一問一答派」が多い。
    一問一答集を作成するためには、何が要点か非常に分かりにくい技能科目の教科書を読み、また授業で先生が話していたことを思い出しながら、何が重要で何が重要でないかを選別する必要がある。そして重要だと選別したことに対して、問題文とその答えを自分で考え作成していかなければいけない。つまり、一問一答集を作成することで、重要ポイントをあぶり出し、それを端的にまとめ上げるという作業をしているということになる。そりゃ、いい点数とるよ。

    ノートにまとめてみる派

    「ノートにまとめてみる派」には、要領があまりよろしくない子が多い。
    とにかく何でもノートにまとめてみないと気が済まない子。勉強=ノートまとめと思い込んでいる子などが好んでやる勉強法だ。勉強しているというよりも、アーティスティックなノートを作成することが目的となっているため、実はそんなに頭に入っていない。しかも、「ノートにまとめてみる派」はだいたいが途中で挫折してしまう。最初のうちは綺麗にノートまとめをしていても、そのうちやることが多くなりすぎるか、何をまとめてよいか分からなくなり、最後まで完成させずに諦めてしまうというパターンが多い。ビックリするほど悪い点数はとらないけれど、時間をかけたわりには点数がとれていないことが多い。

    教科書を眺める派

    「教科書を眺める派」の多くは、勉強初心者の中1がやるタイプ。
    問題集がないとどう勉強していいか分からないため、教科書を眺めていることしかできないのがこのタイプ。まだマシなのは教科書にマーカーで線を引いていたりするが、多くは線すら引かずに(引けずに)ただ眺めている。しかも、どういうわけか、教科書を読んだだけで頭に入っていると勘違いし、満足する子が多いのもこのタイプの特徴。どう勉強したらよいか分からないだけで、決して本人に悪気はないのだが、点数が取れないのは言わずもがな。

    なにもしない派

    「なにもしない派」は論外。
    勉強しないままテストに臨むことや、学校成績が悪くなってしまうことに危機感が全くない。勉強の仕方云々よりも、本人の自覚や考え方を変えていくしかない。

    まとめ

    何をすればいいか分からない勉強に対して、どうすればいいかを考えて自ら勉強法を作り出すことは、もしかしたら主要5科目よりも将来子どもの生きる力に繋がるのかもしれない。最近は「技能科目のテスト対策もします!」とか、「(著作権法を無視してでも)中学の過去問を配布します!」など技能科目に対してもサービスをする塾もあるけれど、どうかなと思う。普段は勉強の仕方なんか全く意識しない子どもでも、創意工夫をして勉強法をあれこれと試すことのできるせっかくのチャンスなのに。