ジタバタする力がある子は確実に伸びる。

2015年3月13日

昨日は頭が割れるかと思う程の頭痛と吐き気があり、体調絶不調のままフラフラしながら帰宅しました。ブログが更新できなかった言い訳です。ちなみに今も体調が思わしくありません。入試が一段落しても、卒塾式や説明会、保護者面談、その他諸々の新年度準備など、3月は何気にやることがたくさんある時期です。そのまま春期講習に突入するので、一息つけるのは春期明けの4月になってからでしょうか。

さて、本題です。普段塾で小学生から中学生まで教えていますが、たくさんの生徒を近くで見てきた経験上「この子は確実に伸びるな」と思う子には、多くの共通点があります。以前も似たような記事を書きましたね。⇒「塾講師が、この子は伸びると確信するときの3つの条件」この3つの条件に今日はもう一つ付け加えてみたいと思います。それは、「ジタバタする力があるかどうか」ということです。

今の子って、分からない問題があってもあまりジタバタしない子が多いんです。ネットでググればだいたいのことは解決できるし、なんて言うか、あまりエネルギーを使いたがらないんですね。子どもに限らず、社会全体が省エネ志向なのでしょうか。「少ない努力でいかに最大の効果をあげるか」ということをいつも考えているように思います。効率のよい勉強方法の本とか、聞くだけで英語が簡単に身につく教材とかが飛ぶように売れているのも、そういう時代を反映しているのでしょう。

問題を解いている時も省エネ志向が目立ちます。少しやってみて分からない問題があったら、ジタバタせずにサラッと飛ばす。そして、効率よく解ける方法を教えてもらえるのを待ち、教えてもらったらその通りに解いてみる。確かに非常に効率的とは言えるのでしょうが、残念ながらこういう子はあまり伸びません。

逆に、分からなくても問題に線を引きまくって真っ黒にしたり、図に書いてみたりしながら、何とか答えを出してみようとジタバタする子というのは、最終的に伸びていきます。ただ、ジタバタする子はテストの時にも分からない問題に対してジタバタしてしまうので、要領は非常に悪いです。「分からない問題はさっさと飛ばして分かる問題から解く」という術を身に付けていません。でも、分からない問題を飛ばす術なんてやろうと思えば簡単に身につきます。だから、最初は要領が悪いように見えて、ジタバタする子の方が結果的に伸びていくのです。

特に算数や数学について言えば、ジタバタする力がない子は、正直ほとんど伸びていきません。ジタバタしながらああでもないこうでもないと考えていく中で、補助線をどこに引けばよいか、どのような図を書けばよいか、という数学的センスが養われていきます。数学ができる子って、小さい頃にみんなそういうジタバタをしてきているんです。結局は、算数や数学の力は、どれだけジタバタしながら問題量をこなしてきたかによって決まるのだと思います。計算が面倒だからと計算機を使ってちゃちゃっとやったり、ちょっと考えて分からなさそうだからとすぐに答えを見たりする勉強をいくら繰り返しても、残念ながら地頭は鍛えられないです。もちろん、効率よく勉強せざるを得ない受験勉強の時は例外ですが。

最近の教育界では「生きる力」という標語が大流行していますが、「生きる力」って結局はジタバタする力のことなんじゃないかな。社会に出れば、何が正しい答えかが分からないことの方が多いです。答えが分からないからって、テストのように華麗にスルーをしてばかりいては、ほとんどの問題が解決しない。答えが分からない問題に向きあって、ああでもないこうでもないとジタバタしていく中で、自分なりの答えを探していく。生きることや仕事をすることって、つまりはジタバタすることとイコールなんじゃないかと思います。赤ちゃんは生まれてくるときから思いっきりジタバタしているしね。

昨日の中1生や今日の中2生の授業でも同じ。難しい問題をやらせると、すぐに諦めてしまう子と、何でもいいから答えを出そうとする子とに分かれてしまう。多分、いや確実に、1年後2年後は何でもいいから答えを出そうとする子の方が学力が伸びているでしょう。

まだ体調が良くないので、自分でもダラダラと何を書いているのか分からなくなってきました。時代遅れかもしれないけれど、省エネで生きていくんじゃなくて、子どもの頃から思いっきりジタバタする力を身に付けて欲しいなと思っている今日この頃です。そのためには、親や大人ももう少しジタバタしながら生きる姿を子どもに見せてもいいんじゃないかな。