もう塾選びで迷わない!塾選びのときに気をつけたいポイント

2014年5月13日

このウェブからも個人的にも、「塾を探しているのですが良い塾を教えてくれませんか。」という相談をよく受けることがある。今日は、その恒久的な答えとして、塾選びのときに気をつけたいポイントをまとめてみようと思う。
塾講師

塾に通う目的は何か

塾選びの前にハッキリさせておきたいことは、「どのような目的で塾に通うのか」ということだ。もしも「何となく塾に通う」とか「みんなが行っているから塾に通う」というように塾に通う目的がハッキリとしていないのであれば、正直どこの塾でも良いと思うので、これ以降読む必要はありません。

補習塾か進学塾か

塾と一言で言っても、大きく分けて2つのタイプの塾が存在する。一つは「補習塾タイプ」の学習塾、もう一つは「進学塾タイプ」の学習塾だ。補習塾タイプの学習塾は、主に学校の勉強についていけない子を対象に学校の補習をしてくれる復習メインの塾だ。その一方、進学塾タイプの学習塾は、主に受験指導をメインとしており、学校よりも先に進んでいる塾が多いのが特徴。
「学校の勉強についていけるようになるため」という目的ならば、補習塾タイプの塾に行くのが無難だろう。そういう目的の人がよく考えずに進学塾タイプの塾に行ってしまうと、今の学校の勉強すらおぼつかないのに、学校よりもさらに先に進んでいる塾に行ってもほとんど効果がない。「良い高校に行きたいから」という目的ならば、補習塾タイプの塾は避けて進学塾タイプの塾を選ぼう。

塾を選ぶ際によく参考にしがちなのが知人からの口コミだが、例え知人が絶賛する塾であったとしても、塾に行く目的が違えば自分にとっても良い塾だとは限らないので注意したい。

塾のタイプの見抜き方

補習塾タイプと進学塾タイプに別れると書いたが、一見するとどちらのタイプにカテゴリーされるかよく分からない場合が多い。うちの塾は「進学塾」と名乗っているけれども、「補習塾」とか「進学塾」と名乗っている塾はそれほど多くはない。また、大手塾のように「学校の補習も完璧」「進学も万全」と、どちらとも受け取れるような謳い文句で宣伝している塾も少なくない。実際に入塾してみなければどんな塾か分からないという塾が多いが、入塾してから「塾選びを間違った!」と思っても時すでに遅し。なかなか塾を辞めるには勇気もいるし、手間もかかる。

塾のタイプの見抜くには、その塾の進学実績を聞いてみるのが一番だ。進学塾なら、塾生全体に対する上位校の実績が高いはずだし、補習塾なら中堅以下がボリュームゾーンになってくるはずだ。

ここで重要なのは、その塾のボリュームゾーンをしっかりと把握することだ。偏差値の高い高校の合格実績だけデカデカと発表し、その塾にとって都合の悪い高校は「その他多数合格!」などという表現で誤魔化していて、その塾のボリュームゾーンが把握しにくい塾もある(特に大手塾はその手法を使っているところが多い)ので、塾が公に発表している実績は案外アテにならない。合格者数を水増ししている塾もあるようだしね。

塾の正確なボリュームゾーンを知るためには、「お宅の塾の卒業生は何人で、そのうち一番合格者数の多い高校はどこですか」という質問をぶつけてみよう。実績が良くても悪くても、しっかりと包み隠さず答えてくれる塾は信頼がおける塾ということになる。そのボリュームゾーンと塾に通う目的がきちんと合致しているかを見極めることが大切だ。

個別指導塾か集団指導塾か

次に多い質問は、「個別が良いか、集団塾が良いか」ということだ。塾に通う目的が補習タイプであれば個別指導も良いかもしれないが、進学目的であれば余程の事情がない限り集団塾を選ぶことをオススメする。個別指導の方をオススメする場合は、よほど学校の勉強についていけないか、よほど人見知りか、もしくはよほどその個別指導が魅力的かのいずれかだ。

個別指導の方が伸びやすいという感覚を持っている人が多いが、むしろその逆。一般的には、個別指導よりも集団の中で揉まれる方が子どもは伸びやすい。子どものペースで手取り足取り教えてくれる個別指導は、分かりやすいというよりも「分かった気になりやすい」し(つまり分かっていない)、いつまで経っても自分のペースから脱却できないというデメリットが大きい。

ちなみに塾業界の内情を言うと、フランチャイズの個別指導は当たり外れが大きいので慎重に選びたい。個別指導の講師は基本的に大学生。大学生の講師でも、子どもの指導にあたる前にしっかりとした研修がなされていれば大丈夫なのだが、フランチャイズの個別指導の講師は研修がままならないうちに子どもの指導にあたることがよくある。教えるということは何たるかも分かっていない先生に習っても、成績が上がることはほとんどないので注意しよう。

良い塾を見分ける4か条

塾に通う目的によって、補習塾と進学塾、個別指導塾と集団指導塾のどれに通うかを考えるということを述べてきた。
では、どうすればその中で良い塾を見分けることができるか。それを箇条書きにしてみます。

電話営業してくる塾にまともなところはない

無料体験中に、自宅にしつこく電話で入塾の勧誘をしてくるにまともなところはありません。そういう塾は、生徒の成績を上げることよりも生徒数のノルマを重視しているという証拠。良い塾は、電話営業なんてしなくても無料体験中に生徒や保護者の方から自発的に入塾の申込をする。体験中に電話を掛けまくって面倒見の良さをアピールするところもあるが、それも所詮営業電話と変わらない。入塾した瞬間、あれだけかかってきた電話がピタッと止み、「体験中のマメな家庭への連絡は何だったの?」というオチに。とにかく、電話営業してくる塾とはかかわらない方が無難。

飛び込みで見学を申し込んでみる

一番塾の実態が分かりやすいのが、アポなしで見学を申し込んでみること。アポなし見学が、見せかけではないその塾の素の状態が一番よく分かる。普段からしっかりしている塾は、飛び込みでの見学だろうがあたふたせずに受け入れてくれる。逆に、「今日いきなりは無理です」なんて言われる塾は、素の状態がとてもじゃないが見せられない塾だろう。そういう塾は避けた方が吉。
塾を選ぶときには、体験前に必ず一度見学した方が良い。授業中にもかかわらず、多くの生徒が遊びほうけている塾や、講師がまともな指導をしていない塾なんていうのは結構ある。

生徒用の机が大きい塾を選べ

見学に行ったら、生徒用の机の大きさをチェックしてみると良い。良い塾なら、生徒の学習環境を考慮して、生徒が勉強しやすいように学校の机よりも大きめのものを用意しているだろう。金儲け主義の塾なら、生徒の学習環境よりも売り上げを考慮して、一つの教室に一人でも多くの生徒が座れるように小さめの机を使っていることがある。机一つとってみても、その塾の考え方がよく分かるものだ。

塾の教育観や最近の入試の動向について詳しく聞いてみる

入塾前に、その塾の教育観や最近の入試の動向について質問してみよう。納得できないところがあれば、どんどん突っ込んで質問すること。塾の教育観と家庭の教育観がなるべく合致するところに通わせることが望ましい。もしそれぞれの教育観に相違があると、必ずいつか歪みが生まれてしまう。
また、住んでいる地域の最近の入試動向について詳しく質問してみよう。塾の先生のなかには、その年の入試問題すら解いておらず、傾向すら掴んでいないという人もわずかながら存在する。そういう向上心のない研究不足の先生の元には、絶対に通わせてはいけない。

塾は星の数だけ存在する。以上を参考に、できるだけ良い塾と巡り会って欲しい。塾選び一つで、子どもの進路を左右しかねないのだから。