英会話を習ってきた子の方が英語ができなくなる危険性

eikaiwa

今や子どもに習わせたい習い事のトップ3に必ず入るのが英会話。ウチの塾でも、小さい頃から英会話を習っているという子が増えている。今では小学校でも英語が必修科目になっていて、昔みたいに中学生になって初めてabcを習いましたという子どもはほとんどいない。

しかし、小さい頃から英会話を習ってきた子の方が、中学校に上がってからの学校の英語の成績が良いというワケではないということを、保護者の方には是非知っておいていただきたい。むしろ、小さい頃から英会話を習ってきていることが弊害になってしまい、逆に英語ができなくなる子どもを、塾の現場でたくさん見てきた。その典型的な原因と対策法を紹介したい。

「間違うこと」に対するスタンスの違い

英会話で最も大切なことは、英語でコミュニケーションを取れるようになるということ。コミュニケーションをとるためには、何も完璧な文法で話す必要なんてない。三人称単数のsが抜けていようと、時制がバラバラであろうと、前置詞が曖昧であろうと、ある程度単語を並べてしっかりと発音すれば、だいたいの意味は通じるしコミュニケーションは取れる。英会話は文字通り「会話できるようになること」が目的なのだから、少々の文法の間違いは恐れず、どんどん積極的に会話することに意義がある。

だからだろうか。小さい頃から英会話を習ってきている子の多くは、誤った文法が染み付いてしまっている子が多い。これが、学校の英語では仇になってしまうのだ。
「別に文法が間違っていても通じるからいいじゃん!」と思う人もいるかもしれない。英会話ならそれでもおおいに構わないが、学校の英語となるとそうはいかない。学校の英語の成績を決める定期テストでは、例え意味が通じるとしても、文法が少しでも間違っていたなら点数はもらえない。入試においても同じだ。つまり、英会話のスタンスと180度逆で、学校の英語において「間違う」ことは許されないというわけだ。

今までの英会話では指摘もされず、しっかり相手に通じていたハズの英語が、学校のテストでは評価されなくなる。英会話を習っている子の多くが、このスタンスの違いで戸惑う。その違いにいち早く順応できれば良いが、なかなか順応できない子は、そのうち英語自体を嫌いになってしまうケースも少なくない。

中1英語をバカにする傾向

小さい頃から英会話を習ってきた子にとって、中学1年生の初期で習う学校の英語は恐ろしく退屈である。abcから始まるアルファベットの練習、bookやpenなどの簡単すぎる単語、”I am Ken.”や”This is a pen.”などの単純すぎる文法・・・。目をつぶっていても解ける問題ばかりだ。そのうち、「勉強しなくても大丈夫」と、英語の勉強を疎かにしてしまうケースが多い。

ところが、中学1年生で習う英語は、これから高校・大学と学習し続ける英語の一番の基礎にあたる。be動詞と一般動詞の違い、否定文・疑問文の作り方、代名詞の使い方、単数と複数の違いなど、英語の学習の最重要事項のオンパレードだ。
学校の英語をバカにして勉強を疎かにしている間に、気付いたら文法が全くわからなくなってしまった・・・という状態になってしまうことはよくある。

小さい頃から英会話を習っていても、これまでの英会話と学校の英語の学習をちゃんと切り離して、学校の英語の学習を疎かにせずに真面目に取り組んでいくことが重要だ。

英会話をやめてしまう

長年せっかく習ってきた英会話を、中学に入学するのと同時にやめてしまう人が多い。中学に入ると、部活や塾で忙しく、なかなか英会話まで習わせる時間が確保できないというのが理由だろうが、これは非常にもったいない。中学校や塾で習った正しい文法を、英会話教室で会話として実践練習することで、文法力も会話力もますます上達するのに、やめてしまうということはそのチャンスを潰してしまうということになる。確かに、小さい頃からやってきたことで、多少耳は鍛えられているのかもしれないが、それ以外は英会話を続けてきたことによる弊害しか残らない。

せっかく英会話を習わせるのなら、中学入学以降も継続させたい。相乗的に英語力が上がっていくだろう。

最後に私見

最後に私個人の意見。
塾講師としての経験上、自分の子(注:まだ子どもはいません)には小さい頃から英会話を習わせないだろう。
英会話を習わせるお金があるのなら、それを貯金して、自分の子が高校生くらいになったら1年間海外留学させる費用に回す。そして、子どもが海外留学から帰ってきた後に、留学で培った英語を忘れさせない目的で英会話教室に通わせたい。

仮に英会話の月謝が月10000円だとして、5歳から15歳まで10年間通わせるとその費用は単純計算で120万円にもなる。教材費なんかを含めると、およそ120万では納まらないだろう。留学というと高いイメージがあるが、公的な交換留学制度を利用すれば、十分その金額内で賄える。

中学生のうちに文法をきちんと身に付けた上で、一番物事を吸収しやすい高校生のときに海外で学ぶことで、英語によるコミュニケーション能力と国際社会を生きる力を身に付けた方が、効率が良いと思っている。

私も実際、高校2年生のときに1年間アメリカに交換留学をしたが、それまで英会話教室に通ったことがなく、どちらかというと英語が得意な方ではなかった私でも、留学後にはセンター模擬試験で180点を軽く超え、TOEICも最高で890のスコアをたたき出すことができた。5歳から15歳まで10年間、週1回英会話教室に通い続けても、ここまで英語力を伸ばすことはできなかっただろうと思う。

誤解して欲しくないが、小さい頃から英会話を習わせることを否定しているわけではない。しかし、盲目的に子どもに英会話を習わせている人が多い今の風潮にやや危機感を覚えている。
確かに幼少期からの英会話はメリットも大きい。しかし、それによるデメリットもきちんと把握した上で英会話を習わせたい。

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COMMENTS & TRACKBACKS

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  1. posted by さんろく

    小さい頃から英会話を習っていた子供は、通じる英語が話せるのですね。それならやはり小さい頃から英会話教室に参加した方がメリットは大きいと思いますよ。
    中学で文法を正せないのは、本人の意思の問題です。ただし本気をだせばぐんと伸びるはずです。

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