塾講師が考える受験生の親の心構え5つ:3.15の説明会で話せなかったこと第2段

3.15の説明会であまり時間をかけて話せなかった内容第2弾は、「受験生の親の心構え」についてです。

まず、子育ての技術によって「子どもをご自分の思い通りに変えることができる」という思い込みは捨ててください。子どもも人間です。親とは違う人格があり、性格があり、考え方があり、思いがある。親の思い通りにならなくて当然だし、むしろ全て思い通りになる子どもがいるとすれば、そっちの方が危険です。そんな子どもはただの親の操り人形であり、操ってくれる親がいなくなれば何もすることができません。

ちなみに、ご存知の方も多いと思いますが、私には子どもがいません。猫の親にこそなったことがあるものの、人の子の親になったことがありません。なので、どれだけ子育てが大変なのか、またどれだけ子育てが尊いものなのか、知る由もありません。「子どもも育てたことがないくせに、知った口たたかないで」と言われれば、本当にその通りなので、返す言葉もありません。ただ、私は塾の現場で、数多くの小中学生とその親御さんを見てきています。いろいろなタイプの子どもとそのご家庭、またその子どもの成績を見てきた上で、このような話をしています。いわば、単なる統計論ですので、これが正解だとか間違っているということではありません。

それを前提に、「塾講師が考える受験生の親の心構え」を5つお話します。

受験生の親の立ち位置について

親はどうしても子どもの成功を期待し、失敗しないように一生懸命になります。「あなたのことを思って言っているのよ」というよく聞く台詞は、まさしくそのような親の愛情を表しているのでしょう。

受験生の親でも、親が一歩先を歩き、子どもが転ばないように誘導しているような親子関係をよく目にします。でも、本当の親の出番とは、子どもが失敗して傷ついたときなんじゃないかなと思います。親が一歩先を歩くんじゃなくて、子どもの一歩後ろを歩きながら、転んだときや失敗したときに手を差し伸べてあげるのが、高校受験生の親の立ち位置なんだと思っています。

受験の成功とは何かを考えれば、やはり「合格」を手にすることです。高校受験生の親の役割とは、子どもを合格に導いてあげることなんじゃなくて、極論を言えば、子どもが不合格になって傷ついたときのケアです。合格に導いてあげることは、親ではなく塾や学校の役割です。親以外の人ができることは、他の人に任せておけばいいのです。でも、不合格になって傷ついたときの子どものケアは、親にしかできません。

親は子どもの羅針盤になるべき

これは説明会でも少し話をしました。15歳の子どもが、これからの人生を選択するためには、羅針盤が必要です。世間や社会について何の知識もなく、何の情報もない子に対して、「はい、あなたの好きな道を行きなさい」というのはあまりにも無責任です。多くの中学生が、進路選択の際に保護者の話を一番の情報源にしています(参照:Benesse教育研究開発センター高校データブック2013)。子どもが進路を考えたり決定したりするために必要な情報を、親の立場からというよりも、一人の大人・一人の社会人としての立場から上手に与えてあげてください。

ただし、あくまでも羅針盤に徹することです。親の考える方向に、子どもを強引に導くのは羅針盤ではありません。羅針盤とは、方位磁針のことです。理科で習いますよね。東西南北を指す、アレです。方位磁針のように、それぞれの方角にはどんな道があるのかを示してあげます。いろいろな情報を得た結果、最終的に進む先を決めるのは子ども自身です。

成績や偏差値について子どもを責めない

もしも、お母さんが子どもから「何でお母さんのつくるご飯はこんなにマズいんだよ。○○くん家のお母さんはもっと美味しいご飯をつくっているんだよ?努力が足りないんだよ、努力が。もっとちゃんと料理の勉強しろよ。まったく。」と毎日言われたらどうでしょうか。

もしも、お父さんが子どもから「何でお父さんが持ってくる給料はこんなに少ないんだよ。仕事から帰ってさぁ、ビールばっか飲んでる暇があったら、家でも仕事しなよ?いっそのこと、仕事の後にバイトにでも行ってもっと稼いできたら?努力が足りないんだよ、努力が。」と毎日言われたどうでしょうか。

多分、「何生意気なこと言ってんだ。お母さん(お父さん)だって、忙しい中毎日毎日頑張っているんだ。」と反論するのではないでしょうか。

子どもの成績や偏差値について、親がとやかく口を出すということは、つまりはこういうことです。自分だったら耐えられないことを、子どもにはなぜか平気で言ってしまいます。成績が悪かったら「努力が足りない」。他の子より出来が悪かったら、「あの子はもっと頑張っている」。子どもだって、こんなことをいつも言われていたら耐えられないです。しかも、子どもは自分より立場が上の親には、なかなか反論できません。言われるがまま、じっと耐えるしかありません。

それで、「よし、じゃあオレもっと頑張るよ。お母さん。」となる子は非常に稀です。100人中1人いれば良い方です。残りの99人は、ストレスを感じながらじっとお説教が終わる時を待っているだけです。勉強や成績についてとやかく言うのは、他の人に任せましょう。悪いことがあれば、第三者にうんと叱ってもらえば良いのです。中学生の子どもにとって、親が言うよりも第三者から言われた方が聞く耳を持ちます。

「お母さん、いつも料理つくってくれてありがとう。」「お父さん、いつも仕事頑張ってくれてありがとう。」と言われた方が親も頑張れるのと同じように、子どもも親から「いつも頑張っているね。」と言われた方が、頑張れるのです。

ただ、しつけに関しては口うるさく言ってください。しつけは親以外の誰にもできないことですし、塾や学校に子どものしつけをお願いした途端、モンスターペアレントになってしまいます。

親自身ができないことを子どもに要求しない

子どもには勉強しろと口うるさく言うお父さんが、仕事から帰ってきたら野球中継に夢中だったり、本を読みなさいと口うるさく言うお母さんが全く本なんて読んでいないという環境で、子どもが自発的に勉強をするはずがありません。中学生は、大人の理不尽さはすぐに見抜いてしまいます。理不尽だと感じると、子どもは親を尊敬できなくなってしまいます。子どもに頑張って欲しいのなら、まず親がその数倍頑張るべきだと思います。

遠すぎず近すぎず、適度な距離を保ってください

中学生はなかなか難しい年頃です。一切干渉をしないと寂しいと感じてしまうし、かと言って干渉し過ぎるのも嫌がる。遠すぎず近すぎず、「お父さんお母さんはいつも自分のことを気にかけてくれている」と、親の存在を心地よく感じることができるような距離を保つことが大切だと思います。これが難しいというのは、よくよく分かっています。塾の中でも、すぐに器用に適度な距離を保てる親御さんなんて、数える程しかいらっしゃいません(ただ、そういうご家庭の子どもは、親御さんのことをとても信頼していて、親子関係も良いです)。時には子どもとぶつかりながら、失敗しながらでいいと思うので、適度な距離を模索することを心がけようとする気持ちがあれば、十分だと思います。

ちなみに、以前も似たような記事を書きました。こちらもご参考に。
受験に失敗する家庭の典型的な3つの例

受験に成功する家庭の典型的な3つの例

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