勉強の「終わり」の意識を変えると、得点は上がっていく:できる子の「終わり」と残念な子の「終わり」

2014年11月4日

そもそも勉強には終わりがない。学校の定期テストみたいな非常に範囲の狭いものでさえも、「終わり」というものが明確にない。むしろ勉強すればするほど、課題がどんどんと見つかっていく。

勉強ができる子は、勉強には「終わり」がないということが何となく分かっている。完璧という状態が存在し得ないからこそ、少しでも完璧に近づけようと、非常に細かいところまで気を使って勉強するのだ。

一方、点数がイマイチの子の勉強には、存在するはずのない「終わり」が存在する。テスト範囲を全て勉強し終えたら、ハイ勉強終わり。提出物の問題集を全て解き終えたら、ハイ勉強終わり。間違い直しノートをまとめたら、ハイ勉強終わり。今日は一日○時間も勉強した、ハイ勉強終わり。自分で決めた、もしくは誰かに決められた「やるべきこと」を終了するのが、勉強の終わりだと勘違いしている。点数がイマイチの子にとってのゴールは、「何かを終わらせる」ことであり、勉強の内容そのものを完璧に近い形で「理解する」ことではない。

「課題全部は終わらせました。やるべきこともやりました。でもテストの点数が上がりません。」
という人は、ほぼ確実にこの状態に陥っているといえる。もちろん、テスト範囲のことを全て終わらせることで、70〜80%くらいの得点はとれる。逆に言うと、70〜80%の得点が取れない人は、何かを「終わらせていない」ことが原因だろう。ただ、そこから先の点数は、「終わらせる勉強」に気をとられているうちは達成できない。

テストで満点をとりたい、高得点を狙いたいという目標があるのなら、何かを終わらせることに意識を向けるのではなく、100%の状態になるように自分を近づけることに意識を向けよう。

終わることに意識を向けず、100%の状態になることに意識を向けるためには、自分なりのセルフチェック機能をつくり上げること。要は、「終わった」ことを「分かっている」かを必ず自分でテストをしてみるということ。しかもシビアに。勉強ができる子は、セルフチェックを怠らない。覚えたことが本当に身についているかどうか、何度も確認する。

セルフチェックのやり方はたくさんあるので、自分がしっくりとくるやり方を実践してみること。

  • 一問一答集をつくってみる
  • 間違えたところをもう一度解いてみる
  • テスト用の問題を解いてみる
  • 問題集を2周目・3周目と繰り返す
  • などなど。
    定期テストの勉強だけではなく、普段の勉強からセルフチェックの癖をつけておくといい。

    これは受験勉強にもあてはまる。範囲があってないような受験勉強の場合はとくに、ゴール設定が難しく、「問題集を解き終えたら終わり」という意識になりやすい。問題集を解き終えようが何しようが、そこに理解が伴っていなければ、残念ながら合格には近づいていかない。問題集を解き終えることは、合格に近づく手段でありゴールではない。それを必ず意識し、理解をするために問題集を解くということを忘れてはいけない。